『総合技術監理 キーワード集 2019』の第1章 総合技術監理 には、「総合技術監理に要求される技術力向上 」が示されています。以下に引用します。
総合技術監理を行う技術者に要求される技術的知識や能力は,その事業運営や組織活動における個々の作業や工程などの要素技術に対する管理技術のみではない。それに加えて,業務全体の俯瞰的な把握・分析に基づき統一的な視点から5つの管理をまとめ,総合的な判断を行うとともに,そのときどきにおいて最適な企画,計画,実施,対応等を行うことのできる能力が求められる。
そのためには,総合技術監理の5つの管理技術および自らの技術分野における新技術の理解向上は当然として,他の技術分野や社会的動向へも高い関心を持つ必要がある。
総監の5つの管理技術と自分の技術分野の新技術の理解向上は当然、そしてさらに他の技術分野や社会動向への関心も持て、という追加要求が示されています。これは、総監技術士たるもの、自分の専門分野に固執せず、常にアンテナを張り多分野の技術動向や社会動向を踏まえ、総合的な判断能力を磨くべきである、という一段階高い要求事項となるでしょう。続けて引用します。
近年の技術分野の融合の速度は目覚しいものがあり,自らの技術分野だけでは解決し得ない技術課題が頻繁に出現してきている。その一方で,他分野の技術を利用することにより,従来は解決しがたい課題とされていた問題が非常に簡単に解決されてしまうケースもある。社会の意識も時と共に変化し,組織行動として社会で許容される範囲が急に狭められてしまう事例も多く見受けられる。このような技術や社会の変化に適切に対応できるよう,総合技術監理部門の技術士は常に周囲の出来事に関心を払い,また自己研鑽を重ね,自らの技術力向上に努めていかなければならない。
おなじみの自己研鑽が最後に出てまいりました。やみくもにCPDを重ねたりせず、総監の5つの管理技術や総合管理技術を磨き、社会的な制約も踏まえ、新たな技術課題への対応力を高めよ、というのが、この部分の結論です。