試験本番でのプロジェクトマネジメント

記述式問題は午後3時間半という長時間での回答が求められます。これをどうマネジメントするかが合格へのポイントの1つとなります。特に時間配分が重要で、いきなり回答を書き出したりすると途中でやり直しが発生して時間が足りなくなる場合もあるでしょう。プロジェクトマネジメントの観点で、試験本番の時間配分をしっかり管理しましょう。

記述式問題での3時間半の使い方

プロジェクトマネジメントの10要素の1つにタイムマネジメントがあります。時間はプロジェクト遂行のための資源の1つであり、有限かつ失えば二度と獲得できません。そのため時間の管理は事前に確度を高め計画化し、実行の精度も常に維持する必要があります。

筆記試験は開始から3時間半(210分)で終了です。その間の工程を考えてみましょう。

①解答用紙への基本事項の記載
・解答用紙番号
・部門
・氏名
※記載忘れは失格となる場合があるため、まず最初に記載をします。

②問題文の前文の読み込み
・問題文の前文には解答のためのヒント、織り込むべき事項などが数多く記載されています。
・それらを拾い出し、マーキングを行います。

③問題文の設問の読み込み
・設問は(1)から(3)までがあり、その中にも細分化された設問が示されています。
・解答の骨子は設問の順番や構成に沿って作成する必要があります。

④解答骨子の作成
・解答用紙にいきなり解答を書くことはやめるべきです。
・解答の骨子(構成や要旨を箇条書きで書き出したもの)を問題用紙の余白ページに記述し、それをもとに実際の解答を作成します。

⑤記述内容のチェック
・解答骨子の内容について、前文や設問で求める事項を満たしているかなど、チェックを行います。

⑥字数配分の決定
・解答用紙は5枚あり文字数で3000文字となるため、章ごとの字数配分をあらかじめ行う必要があります。

⑦解答執筆
・④および⑥に従って解答用紙に執筆します。

⑧解答見直し
・限られた時間になりますが、見直しと必要に応じ部分修正を行います。
・修正はできれば行わず、一発で提出できる解答を目指します。
・①の基本事項の記載内容も改めて見直します。

⑨解答用紙提出
・試験時間はフルに使って見直しもした上で、試験終了後に提出をします。

原稿用紙執筆時間からの逆算

筆記試験の工程で最も時間がかかるのは原稿用紙への解答執筆です。24文字×25行(600文字)×5枚(=3000文字)を何分程度で書き出すことができるか、あらかじめ見積もる必要があります。その時間を全体の210分から差し引き、残った時間で①~⑥の工程を終わらせて余裕を持って執筆に望むようにします。

a.標準パターン
・⑦解答執筆30分/枚×5枚=150分
・⑧見直し等10分
・①~⑥の工程=210ー(150+10)=50分

b.ゆっくりパターン
・⑦解答執筆35分/枚×5枚=175分
・⑧見直し等5分
・①~⑥の工程=210ー(175+5)=30分

c.速筆パターン
・⑦解答執筆25分/枚×5枚=125分
・⑧見直し等10分
・①~⑥の工程=210ー(125+10)=65分

b.のゆっくりパターンの場合、①~⑥の工程には30分しか充てられません。この場合、問題文を十分読み込んでポイントをつかみ、骨子に十分に反映させ、さらにチェックする時間を確保することは難しいかもしれません。

a.の標準パターンの場合、①~⑥の工程に50分を充てられるため、余裕が生まれます。このためには30分で解答用紙1枚を書き切る練習が必要となります。

見直し・書き直しの時間

筆記試験本番での書き直しは避けるべきです。字を消す時間、書き直す時間がムダであり、最悪の場合に時間内に終わらないことも考えられます。

見直しは必要ですが、書き直しは誤字脱字やてにおはの修正など、必要最小限の修正にとどめるべきです。そのためには工程⑦でのチェックを十分に行って執筆前に骨子の完成度を限りなく高めることが必要になります